7日目 インドの修学旅行生

今日はバナーラス近郊にあるサールナートに行く。サールナートはブッダが最初の説法をしたところで、仏跡がある観光地になっているらしい。我々4人のうち1人が腹痛で出かけられなかったので、3人で向かうことにした。

朝起きたらホテルを出て路地を抜け、リクシャーのいる交差点に向かう。途中の路地には牛が何頭かいる。狭い路地なので邪魔なことはなはだしい。途中牛の糞を踏み、滑ってこけそうになった。雨がふらないのに道のあちこちに水たまりができていたが、これも牛の排泄物なのだろう。

交差点にたどり着くとすぐに運転手が見つかった。今回もあちらから話しかけてきた。運転手を探すだけなら道でつったっていればいいのだから簡単なことである。サールナートまで往復で700ルピーであった。実際高めである。交差点の近くに停めてあったリクシャーに乗り込み、超混雑したバナーラスの街中を走る。途中ガソリンスタンドに寄って燃料を補給する。さっきの700ルピーのうち400ルピーは給油代らしい。運転手は、自分は一銭も持ってないと言って、こちらが渡した400ルピーをガソリンスタンドの店員に渡していた。毎度のことながらリクシャーの運転手はどういう神経をしているのだろうか。ガソリンスタンドを出てしばらくすると無事にサールナートに到着する。運転手には2時間で戻ってくると伝え、サールナートの公園らしいところへ歩いていく。

サールナートに入るには入場券が必要で、チケット売り場で買う。入場門にはインドの子供たちがぞろぞろ歩いて入っていた。入場門は狭く、何十人もの列に割り込んで入場する。門のそばに立っている人がいたが、どうやら引率の先生だったらしい。チケットを見せる係員は門から入ったところにいた。

サールナートにはいろいろな仏跡がある。やたらでかい石塔(ストゥーパ)や、朽ちた石壁などである。入場門で見たのとはまた別の子供たちの団体が、これらの仏跡を見学していた。ストゥーパの前で集合写真を撮っていた。‭日本人が珍しいらしく、子供たちはこちらの3人を自分のカメラで撮ろうとしてきた。

ストゥーパと子供たち
サールナートの遺跡

入場料が必要な観光地は、一度入ってしまえば物売りも物乞いも寄ってこないのんびりした環境である。いくつかのインドの修学旅行生らしき団体とはちあわせにならないようにしながらサールナートの中を散策する。いろいろないわれのありそうな遺跡があり、その説明も書いてあるのだが、英語とヒンディー語で書かれているので読むのは疲れる。ひと通りまわった後に外に出る。

その後は近くにある石造りの寺院の中に入ってみた。この内部には、壁いっぱいにブッダの生涯を描いた壁画がある。日本人画家が書いたものらしい。よく見ると、ブッダが誕生し、悟りをひらき、説法をし、死ぬまでが描かれていた。この壁画を外国人旅行者がこぞって写真に撮っていた。自分も写真を撮っておく。

ブッダの壁画

寺院を出てしばらく休むと2時間経っていたので、運転手のおっさんのところまで戻ってバナーラスまで送り返してもらう。街中の狭い路地をくぐり抜けながら走ると無事元の交差点に到着した。運転手に残りの300ルピーを渡し、疲れたのでそのまままっすぐホテルに戻る。ホテル近くの店で買った菓子をつまんでから昼寝をする。この日の活動はそれだけである。

夕飯はホテルの屋上で食べた。いつものようにカレーとダールである。その後は屋上でガンガーの夜景を眺める。対岸に明かりがないので夜景といってもあまり綺麗なものではない。写真をいくつか撮った後は部屋に戻って寝る。次の日は列車に乗ってガヤーである。

夜のガンガー。対岸には明かり1つさえ無い

→次 8日目 悟りの地は田舎町

←前 6日目 聖なる河に花を流そう

インド旅行記一覧へ

写真館へ