6日目 聖なる河に花を流そう
朝は早めに起きて、早速ガンガーに向かう。朝飯ヌキでボートで観光である。最も上流のガートまでボートで行くのだ。朝からボート漕ぎの商売はやっているみたいで、我々を乗せてくれるボートはすぐに見つかった。
早速ボートに乗り込み、漕ぎ始めると1人の少女がボートに乗って追いかけてきて、こちらのボートに手で掴まってきた。どうやら花売りの少女のようだ。直径8cmくらいの紙皿に花びらが積まれており、その上にろうそくがのっかっている。それ1つで20ルピー。50ルピー札を出すと3つ貰えた。中身一杯のマッチ箱もついているので、それで火をろうそくにつけてガンガーに流すのである。さっそくろうそくに火をつけようとしたが、ろうそくに全く火がうつらない。結局1つのろうそくに火をつけるのに10本のマッチを使った。ろうそくに火がついたらガンガーに流す。どうせなら夜に流してろうそくの明かりが闇の中で光るのを見たかったが、あいにく今は日が昇っている朝である。最も、夜にボートをたのめるかどうかは分からない。そもそも夜に河にでる勇気はない。
しばらくして最も上流のガート、アッシィーガートに到着する。舟から降りたら、船頭は初め1人あたり100ルピーの運賃を、150ルピーに値上げしてきた。「他の客が乗らなかったから1人あたりの金額は150ルピーだ」とか主張してきた。なら最初から言っとけよ、まったく腹の立つ話である。面倒なので言い値600ルピーを払い、出発地のガートへ歩いて戻る。インド人が沐浴していたり佇んでいる横を下流に向かって歩いていくのだ。ガンガーの河辺にはそれほど客引きがいるわけでもなく、ボート乗らないか、と言ってくる人がたまにいるくらいである。興味深そうにこちらを見たり、話しかけてくる人もいた。額に何かマークをつけて、ガートで瞑想している人もいれば、全裸の格好で体中になにか粉をぬっている人もいる。ガンガーのほとりにいるこれらの人々は、僕に異文化の世界にいるんだと感じさせる。
いくらか歩くと、煙の上がる火葬場へとたどり着いた。薪がつまれており、河辺では火が焚かれている。ガイドブック曰く、火葬場はトラブルに巻き込まれやすいところらしく、あまり長居して見たいものでもないのでさっさと歩いて通り過ぎる。外国人とみると、インド人2人が近づいてきて、写真は駄目だよ、と言ってきた。彼らはしばらく我々について来たが、我々が火葬場から離れると戻っていった。
歩いているうちにホテルに続く路地のあるガートを通りすぎてしまったらしく、今度は最も下流のラージガートまで辿り着いてしまった。みな歩くのに夢中で誰も通りすぎたことに気が付かなかったようだ。歩き疲れたので、そこらを歩いていたじいさんに上流に向かう舟を400ルピーでたのむ。今度は前払いにした。再びボートに乗り込んで上流に向かう。日が昇ってきたためか、早朝より人が増えていて、おじさんが沐浴していたり、おばちゃんが洗濯をしている様子が見られた。
ボートから降りて目的のガートに辿り着くと、もう朝飯(時刻はもう昼近く)を探す気力もなくなってきた。ホテルのすぐ近くにあるレストランで朝飯(昼飯)を食べることにする。この店のメニューにはなぜか日本食がいくらか載っていて、トンカツ定食があった。興味本位でトンカツ定食を注文してみる。
出てきたトンカツ定食は、肉の薄いフライと、インディカ米の白飯、キムチとふりかけ、それにみそ汁という構成であった。トンカツを食べてみると、日本のカツより薄くて硬いことがわかる。ソースもついてきたのでそれをつけて食べる。トンカツだと思わなければ十分美味しい。白飯はインディカ米なのでパサパサしてあまり口に合わない。みそ汁は間違いなくみそ汁の味がする。みそ汁が一番再現率が高かった。
昼飯の後は自由行動。僕は眠くてしょうがなかったので、ホテルで昼寝をする。いつの間にか3時間くらい寝てしまった。他の皆はその間、シルクを買っていたり、ガンガーで沐浴したり、路地裏の怪しげな店に連れて行かれたり、ヒンドゥー寺院でぼられていたりしたらしい。
夕方になったら夕飯を食べに近くのレストランに行く。カレーとナン、チャパティを注文する。バターチャパティは間にバターがはさまっていて、カレーなしで食べても美味い。食事の後はホテルでゆっくり休む。