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6 作品中に見る水彩画の技法(その2)

ガッシュ・かき落とし


鈴木 智貴 『 』
 98秋展 

木下の部分を拡大してみます。



ここでの技法は前景の芝や椰子の木に使われている、ガッシュです。芝はわざと輪郭をかすれさせて雰囲気を出しています。
(ここで言うガッシュは、不透明な塗り方という意味です。実際にはガッシュという種類の不透明な絵の具があるそうですが、私たちは普通の水彩絵の具でチューブから直接出してぬったり、この作品のように完全に不透明に塗ったりすることを指しています。)
 その他に、海のかすれとぼかし、右手の雲はぼかし、左手の雲の輪郭はしっかりとっている所などに、工夫が見られます。

 

 

平野 達彦 『決意』   98秋展

これも一部分を拡大してみてみましょう。

 この作品の特徴は、独特な色使いと、色を絶妙に織り交ぜてぼかして色が付けられた部分だと思います。

 こういうのは技法ではないんですぐに他の作品でまねしてみようとか言うことはできませんが大変参考になります。特に黒の使い方とか、オベラの使い方とか・・・。(この辺は純粋に感想)

絵を描く順番としては背景からはじめに描いて、その時前景の切り株と猫の中には色が流れ込まないように色止めをしているはずです。マスキング液を使っていると思います。

 そしてそのあと白く残しておいた切り株と猫を描き込んでいます。

それからひげの部分にさりげくかき落としが使ってあります。

『かき落とし』とはヤスリカッターナイフなどを使って紙の表面を削りとって、ハイライトを入れたり特殊な効果を出す技法です。濡れた画面、乾いた画面、カッターを使った場合ヤスリを使って表面を広く削った場合、それぞれ様々な効果が出ますので試してみてください。


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