戻る   進む


5 作品中に見る水彩画の技法(その1)

白抜き

これから「98年秋展」に出展された作品中に見られる、いくつかの技法について少し詳しく説明しようと思います。画像が多くなるので表示されるのに時間がかかるかもしれませんが、これまでの話よりは役に立つと思います。

 

後藤 亜実 『DAYS』  98秋展 

まずはこの作品中に見られる技法をいくつか取り上げましょう。

 

  • マスギング液を使った白抜き

    これは作品右下の草むらの拡大図ですが、全く色の塗られていない部分が見られます。これは『マスキング液』という物を使います。マスキング液とはゴムの液で、色を塗る前にあらかじめこれを塗っておけばその部分には色が付きませんから、作品のようにハイライトを残すことができます。また白抜きではなく絵の具のにじむのを止める色止めとしても使います。
    やり方は言うまでもありませんが、

    1. 残したい部分をマスキング液で覆う(ここが一番考えどころ)しっかり乾くまで、待つ。

    2. ハイライトを気にせず塗ることができる

    3. ゴムをはがす。

    4. この絵ではそのあとハイライトに半分きみどりを入れていますね。

    マスキング液は300円程度、画材屋さんで手に入ります。他にもマスキングテープを使っても同様のことができます。ある程度絵になれてくれば、これは使える技法No.1でしょう。

また近景から、遠景への草むらの移行がうまく描けていますね。

 

顔の部分は、特別な技法というのは無いですが絵の具を混ぜすぎると、どんどん色は濁ってしまいますので難しいところだと思います。

 

 

 

 

 

 

背景はこんな風にぼかしていました。ここでもマスキング液を使った白抜きが効果的に使われています。

戻る   進む