第72回東海学生陸上競技対校選手権大会

5月12日(金)〜14日(日)

瑞穂公園陸上競技場

<試合結果>  <短距離>  <中長距離>  <フィールド>  


800m 向山(4年)、岩田(3年)、吉岡(3年)

3人ともに予選は通過しないと、七大戦でも勝負にならない。72+2で甘くない予選だった。向山はコース取りなどロスはあったものの、力を見せて通過した。岩田の表情はかなり硬い。スタートからスピードに乗れず苦しい戦いになってしまった。3位の位置取りで、予選通過の2位とは5m近い差があるレース展開。しかし最後の最後に意地を見せ、ゴールに倒れ込んで2位確保。予選を突破した。吉岡はレース運びが一番うまい。1周目は力を温存し、残り300mからスピードアップしていった。しかし何を勘違いしたのか、坂まで抜いて一瞬トップになり、他のランナーの目標にされてしまった。そして最後の直線で次々抜かれ、残念な予選落ち。あのまま、坂の後ろにつけてレースを進めれば予選突破の可能性は高かった。

準決勝と決勝は翌日の最終日に行われた。向山は調子がいい。それでも準決突破は難しいと思っていた。しかし力を見せつけ、少し余裕を持ったまま勝ち残り誇らしげだった。岩田は予選を見る限り調子がいまいち。表情も硬いままだった。準決勝も前半から離された後方からのレースとなった。2周目に入っても離されてしまい、勝負をさせてもらえなかった。練習に対する姿勢も素晴らしく、その内容も強いだけに、今回の準決落ちは悔しい。 

決勝は2時間30分後。向山の持ちタイムは8位程度のものしかない。しかし練習はできており、2本目の強さに希望を持った。1周目は後方でレースが進んだ。坂と加藤の優勝争いにまったく絡むことはできなかったが、最後まで粘りきり5位に入賞したのは賞賛される。ただこのままのレベルでは 七大戦で勝負できるかどうか微妙なところである。岩田、吉岡とともに、練習でしのぎを削りあってたくましくなって欲しい。

 

800m女子 安川(2年)、金尾(2年)、山本(1年)

予選は41+4である。3人とも今の力では予選突破は難しい。1周目はなんとか射程距離内でレースを進めていたが2周目に入り、離されてしまった。しかし素質的には3人ともかなり高いものがある。これからの練習を、故障しないで継続的に積むことができれば、飛躍的に記録は上がる。気落ちすることはない。

なお優勝は、いつも一緒に練習している山元(椙山)が果たした。1500mから見て楽勝かと思っていたが、苦戦しながらの優勝だった。

 

 

1500m 中村(M1)、酒井(3年)、久郷(2年)

もちろん中村は、余裕で予選を通過した。久郷の今の状態では、予選通過は難しい。レース前に、31200mまでは絶対に先頭集団についていけと励まして送り出した。久郷の組のペースは速かった。徐々に離され2周持たなかった。3周目は70秒もかかって予選落ち。しかし久郷の競技に対する取り組みは真面目で素晴らしいものがある。今回、願望も含めて起用したが、スピードの切り替えのいる1500mは苦しかった。この結果に腐らず自分の才能を信じて頑張って欲しい。酒井は練習を見る限り絶好調に仕上がっていた。瞬間的なスピードの切れは3人の中では一番あるので期待していた。今回のレース運びは、不利な外側を走ることが多く、予選の走りとしては課題が残った。さらに少し仕掛けが早く最後の120mの本当の意味での予選突破争いの戦いに参加することができず、残念な予選落ちとなってしまった。

決勝は5時間後。優勝は坂だろう。2位というより記録が欲しい。昨年のような風はなく、コンディションは最高に近い。やはり坂が飛び出し、中村一人がついていく。62秒、62秒、62秒の安定したハイペースで坂が引き、今回の中村は離れない。もしかしたら勝てるかもと一瞬思ったが、さすがに坂は強かった。最後120mでもう一段のスピードアップで離された。しかし中村の記録は3528で大会新、自己新記録。スピード感ある素晴らしいレースだった。

 

1500m 女子 安川(2年)

小山は学業との日程調整がつかず出場できない。安川は本来力があるのだが、脚の故障が長引き、練習不足の今回は期待できない。淡々とレースをこなすだけで505秒で予選落ち。記録はまずまずだと評価できるが、早く万全で大会に臨んでみたい。

他大では山元のレースが素晴らしかった。つい2週間前まで貧血に苦しんでいたのに、迫力満点の走りをみせ大会新記録で優勝した。

 

 

5000m 中村(M1)、小泉(4年)、古川(3年)

最終日に5000m決勝。1日目と違って風が強く、走るコンディションとしてはあまりよくない。三好池を見据え、各大学ともに注目したレースだった。中村は優勝候補の筆頭だが、今シーズンまだ5000mの記録が出ていないので不安はあった。しかし1500mで大幅な自己新を出していたので、私の中では優勝確率100%。レースが始まり中村が想定通りのペースで引っ張る。200mが31秒、400mが66秒。しかし風が強い。2周目から70?72秒のラップになり、有力どころは皆ついてくるレースとなった。こうなると引っ張る中村には、つらいレースとなる。3000mの通過が852秒。中村の表情は険しくなっていった。とても名岐駅伝で見せた迫力は感じられない。四日市大の1年生や愛工大の野村らに前に出られ、かなり苦戦した。ラスト1000mからロングスパートして優勝したものの、優勝の喜びはなかった。同じ日に岐阜メモリアルで行われた中部実業団でマサシが13分前半で走っている。あと4週間後の全カレ5000mで13分台に迫るものを見せて欲しい。

今回の5000mの大きな収穫はやはり小泉だった。中村が引っ張る集団に積極的にとりついて一時は3位の位置を走っていた。4000mの中村のスパートにはついていけなかったが、他大学の主力と五分の戦いを見せた。最後の1周のヘナヘナ度は解消されず、中京の原田、勝又、中京学院の林と次々と抜かれて順位を下げたのが残念だったが、いいレースを見せてくれた。

逆にまったく不調だったのが古川だった。古川にとっては少しハイペースであったが、練習から見れば1510秒が出ても不思議ではない。ただ今回は調子があまり良くなかったことと、学連員として1日目、2日目ともにこまめに働いている姿があった。とても最終日の自分のレースの準備などしている暇はなかった。そのような大きなマイナス材料の中での今回のブレーキである。真面目に練習に取り組んでいるだけに、練習で盤石の自信をつけて、今後の七大、三好池につなげて欲しい。

 

 

5000m 女子 小山(4年)、上野(2年) 

小山は故障あけでいまいち自信がない。調子自体は悪くないので本当は1500mに出したかったのだが仕方がない。最初から積極的なレースをしたが。3000mから失速してしまった。本人から痩せてみせます宣言も出たし、今後の小山に期待している。もう一人上野は調子が悪かった。万歩や平和公園で捻挫して以来、あまりいい状態がこない。しかし根っからの長距離大好きランナーである。2ヶ月何もなく練習できたなら、一段階上のレベルにあがれる。早く大幅な自己新が欲しい

 

10000m 河合(M1)、北山(4年)

藤永が乱調なままだったので、思い切って選手から外し、焦らずに練習させることにした。もう一人の枠は大庭(3年)の起用を考えていたが外れだった。他に起用してみたい選手はいたが、負担の大きい10000mよりも5000mオープンで記録を狙わせた。

北山も河合も三好池では有力な選手候補である。二人とも細身の身体で距離に適性があり、期待していた。ただ愛工大は野村と清水、四日市が玉村、中京が原田と伊藤というようにエースがそろっている。気後れしないように、31分台で順位を狙えとハッパをかけて送り出した。

しかし今年の10000mは、他校の主力が皆万全とはほど遠く、不安を抱えたレースであった。当然スローペースで始まり、72?74秒、76秒、77秒とスローな展開となり皆が一団となって進んでいった。5000mまで北山と河合もついており、応援しがいのあるレースとなった。伊藤正人など意外な選手がこぼれていく中で北山は踏ん張っている。7000mまで先頭集団にとりつくことができた。そこから愛工大の野村が仕掛け、中京の原田がついていく。他の者は遅れてしまった。離されてしまった北山だったが、最後まで粘りきり、目標通りの31分台で6位に入賞した。河合も3210秒で合格点の与えられる走りができた。二人ともに、後4ヶ月、充実した練習をしっかり積むことができれば、信頼して三好を任せられるだろう。そうならないと名大は苦しい。

 

3000mSC 木村(3年)、北村3年)、平岡(2年)

木村は順調に来ていたので最低でも6位入賞を期待していた。まずまずのリズムで障害を越えて自己新の931秒で6位入賞を果たした。レース内容は中盤から追い上げていき、3位あたりまで欲張って見ていたが、終盤で苦しくなり6位だった。木村の身長やスピードでは、3000m障害では今はこんなものだろう。七大ではしっかり点が取れるようレベルアップが必要である。北村4月中旬の大事なところで故障して、インカレに付け焼き刃的練習で臨まざるを得なかった。完走しただけで、今回は取り立てて収穫がなかったがやむを得ない。平岡は本番の強さに賭けて一発を期待していたが、不本意な流れで結果も凡走以下のものしか残せなかった。平岡には、猛烈な奮起を望む。

 

オープン5000mは藤永が復調であるところを見せた。本田と森本の復調もまだまだ半分。河上、北山、河合、久保、竹村、ここまでが15分台だった。今年度は七大戦と三好池において即戦力の期待のかかる1年生の入部があった。どの大学も決め手に欠けているというか、昨年度と同じのレベルに留まっている。名大にも大きなチャンスがある。