東海インカレ寸評

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100m 兼松(3) 谷(3) 藤林(2)

兼松:強い向かい風のため、重心をいつもより前に置く感じで走った。記録は悪かったが、組に恵まれ予選通過。準決は疲労のためかまったく身体にきれがなく、歩き出すようにスタート。その後、持ち直し追い上げるが、届かず七位。あの悲惨なスタートにしてはよく走ったと思う。複数のレースに耐えられる身体を造ることが必要だ。今回の大会は技術面より肉体面の課題を痛感させられた。

谷 :予選は前傾とそれに伴った足の稼動範囲の大きさを意識した。準決勝は50mで隣を意識してしまいそのまま自分の走りを意識できなくなり悔しい結果となった。

藤林:スタートで体が浮かないようにすることを課題として臨んだ。レース自体はうまくいった。スタート時にしっかりと地面にのせることができ、スムーズに加速していくことができた。加速にのってからも力むことなく走れたように思う。ただ、気をゆるしたのか、80m付近から時計に目がいってしまったのはいただけない。これはレースに対して集中がたらなかった。次は、もっと一つ一つの動きを意識したレースをしたい。


200m 兼松(3) 谷(3) 藤林(2)

兼松:前回の信大戦の反省を生かし前半勝負を心がけた。やはり、後半に失速したが、平均的に走るより自分自身納得がいく。去年より後半の失速はかなり抑えられ、冬季練習の成果が確信できる。長期的な計画でさらなるレベルアップを目指したい。

谷 :予選は走りを意識できない状態でドタドタとゴール。準決勝はとにかく自分の走りをすることに集中。その結果、今できる一番の走りができた。決勝は準決勝の走りに加えて乗り込みを大きくしようとした。目標は入賞。スタートを意識した割にすぐに追いつかれいつも通りの後半勝負になった。後半の伸びはよかったが前半に課題を残した。

藤林: どうも200mはうまく走ることができない。後半は完全につぶれてしまって、くちゃくちゃであった。確かに根本的に走力が足らないこともあるが、普段意識しているようなコーナーを抜けていく感覚やらストで体が浮かないように意識していることがまったくできなかった。今回もコーナーはリラックスして入ったつもりだったから抜けたところで完全につぶれていた。試合ではやはり無意識にも力んでいるのだと思う。もっと本番を意識して練習に励むべきだと感じた。


400m 加藤(M1) 可知(3) 牧(1)

加藤:予選敗退。今現在自分が遅いことを実感するよい試合であった。1週間ぐらい前に走るコツを少しつかんだが、それを試合でまったく活かせずに終わったことが心残りである。まだまだ試合はあるので落胆せず、突き進もう。

可知:一日目はバックストレートの向かい風が非常に強かった。予選は組に恵まれたこともあり、51秒台ながら1着通過。準決勝では、昨年の優勝者である中京大の見崎さんと同組。向かい風の中前半からスピードを上げていき、何とか見崎さんについていく。しかし最後まで差を詰めきることができず49秒中盤の記録で2着。しかし全体でも2番目のタイムで決勝進出。
翌日はバックストレートが強めの追い風。この風は400mにとって記録が狙いやすい。決勝は4レーン。外側5レーンに見崎さん。1位以外の順位なら2位も8位同じと思っていた。やはり追い風の影響がありレースは前半からハイペースになった。200mをベスト記録22秒8よりも速い22秒1で通過。勝負に徹するならば220m〜270mあたりでちょっと落ち着いてラストスパートをかけるのだが、さらに逃げてしまい300mまでほぼマックスで走ってしまった。300mの通過は33秒8。この時点ではトップであったがラスト60mあたりで見崎さんに並ばれると一気にバランスを崩してしまい失速。結局48秒13で4位と惨敗に終わってしまった。今回のミスは、優勝と全カレ標準を一緒に狙いにいってしまったこと、前半型のレースにまだ慣れていないことが原因である。コンディション、レース展開がうまくいけば全カレB標準の47秒50は突破できそうだ。

牧 :大学初の400mだった。トレーニング再開からの期間も短く、400mという距離自体に不安があった。レースは、バックストレートの強い向かい風もあり、前半はあまりスピードが出ない。しかもホームストレートに入る手前まで向かい風が続き、第二曲走路でもスピードに乗れなかった。4コーナーを抜けるころはもはやスタミナ切れ。フォームも崩れ、脚を痛めてしまった。準決勝は脚の状態を考え棄権。1本目でこんなようでは全然ダメだと思う。七大戦や今後の試合に向け、質とともに量を重視したトレーニング、後面の筋肉の筋力と持久力の向上が必要だと感じた。


110mH 前里(3) 入山(2)

前里:強烈な向風での試合だった。予選はリズムの確認をして通過。決勝は強い相手2人に挟まれたレーンだったが意識せず自分の走りができたのではないかと思う。前半はスムーズに加速でき、インターバルのスプリントも刻めて走れていた。中盤から後半にかけては1、2位とはスプリント力(刻みの加速、持続力)に差を感じた。また、体の浮き(抜け)を抑えるために水平方向を意識するとどうしても重心が下がる走りになってしまいハードルを倒す。このあたりの修正がなかなか難しいが、さらなるステップアップには必要になってくるだろう。今後は踏切りに重点を置いたハードリングの改善に取り組んでいきたい。向風1.6mでの14"99は力がついている確信になった。自己ベストもすぐ近くまで来ているだろう。

入山:信大戦のときの課題を改善することができず、それどころかさらにハードルに突っ込んでいけなくなってしまった。ハードルに何度も足をぶつけ、抜き足が意識して上げられていないように思われた。もっと技術面のトレーニングをしたほうがいいのかもしれない。まったくいいところのない試合だった。


400mH 入山(2) 牧(1)

入山:最初からとばし目でいったつもりだったがバックストレート中盤で内側のレーンの選手に抜かれ、それから徐々に抜かれていき、ホームストレートではばてばての走りだった。スピードのなさと体力のなさを実感した。ハードリングは逆足になってもスムーズに次の走りにつなげることができてよかったが、全体的に110Hのような感じのハードリングで無駄な力を使っていた気がする。もっとリラックスして楽に走り跳べるように、練習から意識していきたい。

牧 :ハードルを跳ぶこと自体久しぶりであり、1台目までのアプローチも全く練習していない状況だったため、かなり不安があった。しかし、走り出してみるとアプローチもうまくいき、インターバルのリズムもよかったと思う。予選では54秒台を出すことができたが、決勝ではへたれてしまい、8台目で足が合わなくなりスピードが落ちてしまった。400mにも言えることだが、やはり自分の課題は後半の粘り、持久力だと思う。


4×100mR 兼松(3) 前里(3) 谷(3) 牧(1)

兼松:今回のリレーは、かなり精神的にゆとりを持って臨めた。走り自体はやや固さが見られたが、ダイナミックで良かったと思う。バトンも安定感が増して、七大への手応えを感じることができた。

前里:1走、3走とのバトンは共にほぼ完璧。有力大学が相次いでバトンミスをするなかで予選、決勝ともに目立ったミスがなかったのは収穫だった。個人の走りとしては、接地時間などに課題は見られるものの、リラックスの意識でうまくまとめられたのではないかと感じた。この感覚を100mにも繋げられるよう努力したい。

谷 :二走からのバトンは完璧。走りも予選に比べてよりフラットに近い走りができ力みも少なくなった。怪我の心配があった四走牧はあらかじめゆっくり出るよう話し合っていた。

牧 :可知先輩の代役で走ることになったが、アップ中にハムストリングスに痛みを感じた。正直まずいと思ったが、肉離れだけはしないように大腿部をテーピングで固めて走った。そのため大腿の筋肉が使えず、全くと言っていいほど走れておらず、順位をかなり落としてしまった。次からはこんなことのないよう、これからトレーニングに励みたい。


4×400mR予選 谷(3) 牧(1) 緑川(3) 可知(3)

谷 :バックストレートの追い風にのって速めで前半を通過したが後半ラスト50で失速。そのため牧とのバトンもうまくあわない。自分の体力を過信していた。

牧 :この日1本目のレースだったので、疲労はあまりなかったし、前日に痛めた脚もアップ中には気にならなくなった。マイルのバトンパスはあまり練習したことがなかったので感覚がよく分からず、早く出すぎてしまい、タイムをロスしてしまった。走り自体は前日の400mとは違っていい走りができたと思う。

緑川:決勝へ行くことが大前提の今回のマイル、絶対自分が足を引っ張る訳には行かないと思って3走を走った。だが、バックストレートで一つ順位を落とし、抜き返そうとついては行ったが第3コーナーあたりから離され始め、ラスト100は散々だった。アンカーの可知のおかげで決勝に行くことはできたが、自分としてはラップが51”8では足を引っ張っているとしか言えない走りをしてしまった。

可知:予選は3着+2。4位でバトンをもらったが前を走る静岡大は十分捕らえられる距離。前半は抑え気味に走り、直線に出たところでスパート。あっさり抜いて3着で決勝進出。


決勝

谷 :皆で決めた目標は三位と3分20秒を切ること。それにアンカーである可知におんぶにだっこのレースにしないこと。予選の失敗から前半をできる限り力を抜いて通過。コーナーを出るところで内側から他の選手が見えたがそこから伸びることができずいいところなしのレースになってしまった。このままでは七大のレースで好走は期待できない。

牧 :この日3本目の400mで疲労がたまっていた。ラスト1本なので気合で走ったが、疲労のせいか加速がよくなかった。走りは悪くなかったが、ラスト150mで前の2チームを一気に抜きに外に出た際にブロックされてしまい、結果的に1チームしか抜けず、大きくロスしてしまった。経験不足だと思う。経験を積む中でマイルの走りを身につけたい。

緑川:予選のように、「決勝へ行かねばならない」という大前提によるプレッシャーが無かったため、いい緊張状態でレースに臨めた。予選のタイムが3分21秒台だったので、決勝は19秒台を意識した。牧からバトンをもらい、前を走る選手にひたすら付こうとそればかり考えて走った。しかし、ラストは失速。自分の実感では、いつも通りの後半倒れの展開で、ラップも期待していなかったのだが、意外にもラップ生涯ベストの走りができていた。最初から前の選手に付こうと、速いペースで行ったのが良かったのだと思う。今回、惜しくも3分20秒22と19秒台に手が届かなかったので、次回は必ず20秒を切るように、また個人的には安定したラップ49秒台を目指して練習を積んでいきたい。

可知:最終日はマイル決勝一本だけだったので、思いっきり走ることができた。6位でバトンをもらい、前半からとばしていく。ちょうどいい間隔で浜松大、静岡大が前を走っていた。静岡大には予選で勝っているだけに決勝で負けるわけには行かない。150m付近で浜松大、ラストスパートで静岡大を抜いて4着。フラットの400mでもこのようなレース展開ができればいいと思う。


総評:マイルの決勝の前までにそれぞれ多種目、多くのラウンドを走っているなかで3分20秒台は評価できる。順位もここ数年でもっともよい4位。ただバトンパスが優柔不断だ。強豪校のバトンパスをよく見ておくことが必要であろう。また、一走(今年もおそらく谷で固定)が上位でバトンを持ってきてくれれば、他の走者も速い選手と競争できる。距離に対する不安もあると思うが、前半から積極的にとばし一走からいい流れを作り出してほしい。
昨年のメンバーに比べるとなんとなく迫力に欠けるが、個々の走力は負けていないのでもう一度名大記録を狙っていきたい。


800m 渡辺一(4) 緑川(3) 向山(2)

 3人に課せられた最低限の目標が予選突破。7組2着プラス2名。簡単ではないが、実力が出れば大丈夫。しかし準決勝は厳しい。
 まず緑川が1組に出場。一周目63?64秒のスローペース。緑川は2番手のインでいい位置にいる。スローな展開は短距離の緑川には願ってもない。ただ、第一コーナーで押し出されるようにトップにたって、他の選手の目標にされてしまった。そのままスローなペースは変わらず、最後100mでのスパートで、通過は大丈夫だと楽観していた。ラストの直線に入ると向かい風にあおられ、スパート合戦で3人が団子状態。残り10mで3位に落ち、まさかの予選落ち。一番期待していただけに、力を出し切れないままの予選落ちは寂しい。
 向山の組は速いランナーが2人いて、記録での準決プラス狙い。期待通り速いレースとなった。向山は3位の位置で前に食らいついている。結局3位ではあったが、2分00秒の自己新で残りの組の結果を待ち、予定通りプラスの1番目で準決進出を決めた。
 4年の渡辺一は、研究室が多忙で、一人で夜遅く練習しなければならない。過度の期待が望めない状況だった。予選では少し手間取ったが2着内で通過した。
 準決勝では勝負させてもらえず、二人とも決勝には進めなかった。


1500m 中村(3) 狭間(3) 森本(3)

 3着取りでプラスがない。確実に3位に入らなければならない。森本は前半冷静に試合を進めた。そして最後の300mから先頭に立ち、そのままトップで予選通過。故障上がりで不安があったので、本人はかなり力を使って逃げた。しかし東海インカレレベルなら、予選通過の実力は十分なのだから、決勝のためにもっと力をセーブするように伝えておけばよかった。
 中村の組は強いのが2名。その二人が前でレースを運び、中村は後方待機で力の温存を図る。最後の300mで一気にスピードアップし、先頭の2人に並び、余裕で予選通過した。しかし森本同様、もっと決勝を意識するように強調しておくべきだった。
 狭間にとって1500mは不得意な種目。しかしスピードがないわけではないので選手として起用した。1000mのラップが2分49秒。そこから失速して予選通過はならなかったが力の片鱗は見せた。
 決勝は中村3位以内、森本8位以内を期待して送り出した。64秒程度の普通のレース展開だったが、森本、中村ともに後方の位置取りだった。淡々トレースは進んだが二人ともにあまり余裕は感じられなかった。最後の一周のペースアップに先頭集団から取り残され、上位入賞はならなかった。


5000m 内藤(D1) 中村(3) 小泉(2)

 小泉が2組に出場。絶好調なら15分そこそこの記録を期待するのだが、最近貧血気味で調子はよくなかった。目標は15分20秒から30秒。2組では優勝して欲しい。3分程度の通過で3000mまでは二番手の集団で力を温存しながらうまく走っている。3000mを過ぎて少し前にでかかったが、苦しくなってまた集団にもどった。最後の1000mはもがいた形になったが、まずまずの記録を残した。
 中村と内藤が最後の3組に出場した。レースは四日市の紀平が果敢に飛び出し、第2位集団の前の方に内藤、後方に中村が位置して淡々とレースが進んだ。1000mを過ぎて内藤が集団を引っ張り、先頭の紀平を追う。3000mあたりで集団は紀平をとらえ8人程度の先頭グループ。中村も何とか食らいついている。そこから愛工大の牛山が飛び出し集団がばらけ、縦長の展開となった。残り1000mの地点で、名商大の村松が敢然とトップの牛山を追い込んでいく。内藤も頑張るが追い込んだ練習不足で村松から離されてしまった。
 逆にここまでついてきた中村には、まだ少しだけ余裕がある。先頭集団の最後尾から徐々に前の選手を抜いていった。4000mの通過が11分台で、この状況だと初の14分台は間違いない。最後の1周で内藤の3位は確定。中村も踏ん張って前を抜いていき、最後の直線でも中京大の1年生の追撃をかわして4位に入り、14分52秒の自己新をマークした。とりあえず結果が出てほっとした。


3000mSC 稲垣(M1) 船橋(3)

 稲垣は優勝を狙っていた。船橋は速い組に入っていたが10分をどれだけ切れるかが目標だった。内藤の欠場で上位5名くらいは優勝の可能性があり、意識的なスローペースで始まった。稲垣にとっては望ましい展開ではなかったらしい。私の考えでは、稲垣はどのような展開でも、稲垣自身の独特のリズムで障害を迎えることができる。たとえ先頭に立って引っ張らなければならない展開でも、他のレースとは違ってラビットにされることはない。めまぐるしく先頭が入れ替わる展開でラスト500mまで6人程度の集団が形成されたままだった。残り1周で四日市の選手がスパート。優勝しか頭になかった稲垣が残り300mから、玉砕覚悟のスピードアップ。しかし水壕を越えたあたりでトップが遠くなり、最後の直線に入って力つきた。次々抜かれて5位に落ちてしまった。
 船橋は学連員などの仕事で、インカレのレースそのものに集中できず、凡走に終わってしまった。奮起を期待する。