第70回東海学生駅伝対校選手権大会
第2回東海学生女子駅伝対校選手権大会


<男子> <女子> <監督寸評> <選手感想>

今年は愛工大、中京大、名大の3大学の優勝争い。6月の予選会で1分30秒の負け。全日本では名大勢3名ともにまずまず良かった。しかし愛工大も中京大も大ブレーキの連続で悲惨な全日本だった。あんなチームに負けたのかと悔しかった。12月のこの試合に勝つことだけを目標に掲げて調整してきた。ほぼ万全に仕上がった手ごたえがあった。風邪さえ引かなければ勝負になる。
今まで強かった四日市大は今年度は弱くなっていた。あと力があるのは東海学連選抜チーム。優勝のテープを切りたかった。

1区 田中(3年) 8.515km 2623秒 区間2位  久保(4年)2745秒 区間17
当初は佐藤航を予定していた。しかし秋口から忙しくなり調子が上がらない。東海学生駅伝の予行演習を兼ねていた中山道駅伝1区の結果は芳しくない。私は小泉を安全策で考えたが、部員の意見を取り入れ、田中で勝負することにした。先日14分台を出していた。夏場の練習ではCクループで遅れてたれている姿がよく見られていた。しかしこの一ヶ月は充実していた。不安よりも期待が大きくなっており、楽しみにしていた。
スタートからスローな展開。田中は先頭集団の右前に位置している。長い大きな集団で進んでいる。スローなためポツポツとしか遅れていない。しかし名大Bの1区に起用した久保が中間点手前で集団から離されてしまった。この展開は予想外である。今年の名大Bには5位もあるかと考えていただけに、出足の遅れは痛い。2区に渡るまでに1分は離されてしまうだろう。
しかし先頭にいる田中の調子はいい。ラスト2kmでロングスパート合戦になった。私が最も恐れていた中京大の安田に勝ってきた。愛工大の鳥羽もしっかり走っている。東海学連選抜の松崎が先頭で中継。5秒差の2位に田中が入った。すぐ後が愛工大と中京大。完璧に近い形で1区は滑り出した。

2区 山本(2年) 10.606 km 3240秒 区間5位 佐藤航(4年)3338秒 区間12
この2区を走る山本に一番期待していた。絶好の流れで祐治からタスキをもらった山本は2分50秒の入り。学連選抜の中田に追いついた。中京大の渡邉と、愛工大の中山が後30mにいる。願ってもない展開となった。このまま中田と二人で突っ走り、後続を100m以上引き離して3区に渡すという青写真を描いていた。3km地点で監督車が止まって山本の表情などを見て声をかけることができた。8分50秒の通過。こちらを見て微笑む表情を見せ通過していった。しかし身体がすこし左右にぶれており、きついのかもしれない。
もう一度監督車に乗って選手を追いかける。5km手前の時点で中田から少し離されている。やはり今の力ではオーバーペースになってしまった。中間点で車から降りてもう一度見ることができた。あっさり中京大と、愛工大に追い抜かれていた。付いていくことすらできない。これは苦しい。1分程度は離されてしまう。3区の小泉に電話し、諦めないで20秒から30秒詰めるレースをするよう指示した。一回切れてしまえばレースを投げてしまう山本だったが、さすがに駅伝ではそれはできない。必死に3分10秒で踏ん張って小泉にたすきを渡した。愛工大、中京大との差が50秒。許容範囲一杯である。ここで差をつけたいと思っていただけに苦しい
名大Bは佐藤航。Aの1区か6区の起用を考えていたので2区のコースはまったく見たことがない。最後のコースを間違えかけるなど、ロスもあったが、ほぼ今の力は出し切って力走したと評価したい。

3区 小泉(M2) 8.181km 2540秒 区間2位  久郷(4年)2624秒 区間7
3区と4区。羽生田と小泉の順番を少し迷った。試走の機会があまりとれず、小泉には1区と3区しか試走させていなかった。起伏は羽生田のほうにより適正がある。しかし小泉も中山道のアンカーをうまく走って区間賞を取っていた。前半の起伏は東海学生のほうが緩やかだ。愛工大、中京大と48秒差でタスキをもらった。直前の電話で、一気に詰めるのは難しいので20秒から30秒ほど前を追いかけて欲しいと伝えてあった。優勝するためには3区の小泉と4区の羽生田で並んでおきたい。小泉は冷静にラップを刻んでいった。愛知学院に付いてこられて、遅いのではないかと焦ったらしい。しかし5kmを過ぎて視界が開け、前のランナーとの差が小泉の目に捉えられた。明らかに詰まってきたのを実感した小泉の走りは軽快だった。後半大きく落ちてきた中京大を捉えて2位でたすきを渡した。もう一つのライバル愛工大の清水は最後までうまく走りきって区間賞を取った。名大との差が50秒に。
名大Bの久郷は区間7位の走りだった。まずまずの走りだろう。目標としている5位まで、自信のあったこの3区までで1分40秒。さすがに他の大学もちゃんと作ってきている。

4区 羽生田(3年) 8.382km 2711秒 区間4位  平岡(4年) 2831秒 区間14
昨年も羽生田はこの4区を走った。愛工大に追いついて欲しい。中京大に並ばれて2人で競り合いながら先頭の愛工大を追いかける展開となった。前半での差は変わらない。愛工大の山村も安全運転をしている。表情にも余裕があり、大きく詰めるのは難しそうだ。向かい風も吹いている。しかし昨年よりも向かい風は弱く、走りにくいほどではない。
中間点を過ぎて愛工大の山村のスピードが少し落ちた。向かい風は苦手らしい。少し、差が詰まってきた。ちらちら見える紫のユニフォームを羽生田は必死で追った。最後に中京大の岩瀬に抜かれてしまったが、5区への中継は先頭と38秒差。中京大とは4秒差。望みを残して5区へ。
名大Bの平岡の調子は良かったはずだった。昨年も経験しており本人も志願した区間だった。しかしここで大ブレーキ。最悪の展開となった。

5区 村西(2年) 10.390km 3300秒 区間2位  梶田(3年)3949秒 区間21
この区間では最悪でも追いついておきたい。しかし愛工大も田中で強い。中間点までは中京大の高木と並んで、少し詰めて行った。その差は25秒になり、肉眼でも捉えることができた。しかし中間点まで押さえた走りをしていた愛工大の田中が引き離しにかかった。村西も踏ん張っている。調子自体は普通の部類の村西だったが、大きな試合は絶対にはずさない。結局田中が区間賞をとり、名大との差が47秒に広がった。村西は田中と9秒差で区間2位。中京大に13秒差をつけて2位で濱田に中継をした。
昨年同様名大Bは梶田。何が起こったのか、ありえない大ブレーキを起してしまった。

6区 濱田(2年) 6.344km 1921秒 区間3位  岩田(M1年)2029秒 区間10
日曜日まで佐藤航を起用するつもりでいた。濱田の調子も良かった。1週間前の最終試走に航は参加できず、逆に2区を山本と走った濱田は、小気味いいピッチで素晴らしい試走だった。最終の火曜日に8000mビルドアップと1000mの練習を見た。航も調子いいがそれ以上に濱田は安定していた。アンカーを任せている藤永の最終調整は逆にさえなかった。一秒でも速くゴールすることを考えた場合、アンカーに渡るまで少しでも大きな貯金が欲しい。安定感や経験では航だが、勢いを感じる濱田の起用を火曜日の練習後に決心した。
勝つには6区終了時では肉眼で捉えられる30秒以内の差に詰めておきたい。愛工大は1500mインカレチャンピオンの吉田なので手強いのは分かっていた。しかし勢いで詰めてくれることを願わずにいられなかった。2kmで濱田の姿を見た。中京大に並ばれ、少し焦っている表情だった。もう一度中間点で見ることができた。やはり並んだままで余力もそんなに感じなかった。駅伝主務の仕事も被って、神経をすり減らしていたのかもしれない。快走には程遠かったが、先頭と1分08秒差。中京大と並んでアンカーにたすきを渡した。
岩田の走りは見ることが出来なかった。梶田のまさかの大ブレーキで白タスキのロードレースになってしまった。

7区 藤永(M1年) 12.314km 4021秒 区間7位  木村(M1年)2830秒 区間11
東海インカレ1000mチャンピオンの藤永。積極的に数々の記録会に出て調子をつかもうと必死だった。しかし不得意な冬場に調子はなかなか上がらない。ある程度の不安と期待も込めて、この難しいタフなアンカーに起用した。中京大と並んでタスキをもらったが、優勝できなければ2位も3位も同じだ。積極的に引っ張って前を追う姿勢を見せた。しかし愛工大の金谷も安全運転に徹しており、実力から考えて、逆転は不可能に近い。中間点で見ることができたが、先頭との差は変わらず、併走している中京大の佐藤に余裕が感じられる。藤永はすでに苦しい。この時点で優勝の可能性がなくなった。そのままジリジリ離されたままゴールするしかなかった。悔しい。ゴールした時点で完全にばててしまっていた藤永のすぐ後にまで、東海学連選抜の池田は迫っていた。
名大Bの木村は区間11位。ここも白タスキのロードレース。繰上げではトップだったが無念な走りに違いない。一回も試走もさせないでおいての起用は申し訳なかった。

 

女子
小山も安川も起用できなかった。とりあえず今の力を出し切ることだけを考えて出場した。
男子監督車からは、ほとんど見ることができなかったので 記録からの短いコメントしかできない。

1区 金尾(4年) 3.573km 1319秒 区間 9
最後のレースとなった。愛教大と最後までデッドヒート。1秒先着の区間 9位はまずまずの走りだろう。

2区 近藤(1年) 4.135km 1454秒 区間 7
この区間は全く見ることができなかった。記録を見る限り良く走ったと評価したい。来年はもう1段階大きな飛躍を望みたい。

3区 山本(3年) 5.754km 2059秒 区間 7
 中間点あたりで見ることができた。曽根原を必死に追いかけていた。いいピッチで走っていたと感じ、曽根原まで追いつけと声をかけた。しかしそこからよれたらしい。

4区 徳永(4年) 4.854km 1829秒 区間11
 この区間もまったく見ることができなかった。記録的にも区間順位も今一歩だが、細い身体、看護学科という厳しい環境で4年間良く頑張った。

5区 上野(4年) 8.181km 3218秒 区間10 

  上野の名大での最後のレース。結果はともかく、本人の強い意向も組み入れアンカーに起用。最長区間、全力を出して走りきった。 来年は新入生が入ってくることを祈って、また強いチームを作っていきたい。