BUG SLAYERS(EPILOGUE)
〜そして英雄譚へ〜
とある誰かたちの、共通の友人。
風切和紗は画面とにらめっこをしていた。
「ふーむ。やはり…」
その整った顔、その眉間に浮かぶしわがゆるくほどける。その口角が上がる。思わず間抜けな声が出る。
「いいな…」
画面に映るのは和紗の友人だ。一人は戦士、一人は魔術師となって、背中を合わせるようにして魔王に立ち向かっている。勇者は完全にゲームから削除した。そのはずだが、目の前にいるのは…勇者と形容するに相応しい二人組だ。
「次作るなら、ダブル主人公だな。名前は…そうだな、なんちゃら・クエスト?とかだろうか」
画面に映る影に向き直り、和紗は声をかけた。
「その時は、またよろしく頼むよ」