音を出す

基礎編
目次

1.ケーナを吹いてみる

・はじめての音の出し方

・音が出ないときは

2.タブー

・肩をあげない

・口元に強く押しつけない

・舌で息を止めない

・楽譜やメモを机の上に置かない

1.ケーナを吹いてみる

はじめての音の出し方

ケーナをさっそく吹いてみましょう。

先述の姿勢で立ちます。

顔の前に鏡を置きます。

腹式呼吸で息を吸い、息を止めます。このとき体には力を入れず、そっと唇を閉じて空気の堰をしている状態にしてください。また、外側の皮膚と歯茎の間に空気が入らないようにしてください。上下の前歯の間は力まないように少しだけ空けてください。

外へ空気を漏らすように唇の真ん中を少しだけ緩めます。真ん中の穴を空気が流れるのを意識してください。この穴のことをアパチュアと言います。

唇の5 cmほどまえに手のひらをかざし、空気が当たるのを感じてください。

先述の持ち方でケーナを持ちましょう。ケーナの穴は裏側の穴と表側の一番上の穴だけ塞いでください。右手は下の方の持ちやすいところを持ってください。

唇にケーナを当てます。このとき、下の図の a に唇と唇の下が当たるようにしてください。また、 b には唇が当らないようにして、 b の尖っている感覚が唇で感じられないようにしてください。

先ほど練習した方法で息を吹きます。このとき、息は下の図の c に当るようにしてください。

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音が出ないときは

以上のやり方で音が出ないときは、以下のやり方を試してみてください。

・ケーナの位置をずらしてみる。
・ケーナの角度を変えてみる。
・息の角度を変えてみる。
・息のスピードを早くしたり遅くしたりしてみる。
・吹き口と唇の穴の位置を合わせる。

どうでしょう、音は出ましたか?

唇の形、息の吐き方、使用しているケーナは人ぞれぞれなので、「こうすれば必ず音が出る」というような吹き方は存在せず、こればっかりはできるまで試していただきたいとしか言えません。誰でもすぐに音を出せる魔法のような理論が存在すればよいのですが...... 。

ただ、そんなに心配しなくてもたいていの人は一週間から一ケ月で音を出せるようになります。根気強くがんばっていきましょう。

また、この段階の練習を行うときは経験者にアドバイスをもらいながら行うことを強くお勧めします。変な癖がつくことを避け、音を出せないもどかしさを感じること時間を大きく減らすことができるでしょう。

2.タブー

ケーナを吹きはじめる際に初心者が陥りがちなタブーがいくつかあります。以下のことに気を付けながら音を出す練習をしてみましょう。

肩をあげない

詳しくは後述しますが、肩があがると胸式呼吸という呼吸法になってしまいます。これはよろしい呼吸法ではありません。鏡を使って肩が上がっていないことを確認しつつケーナを吹く練習をしましょう

口元に強く押しつけない

ケーナが滑るからといってケーナを唇に強く押しつけないようにしましょう。目安としては、吹いた後にケーナの丸い跡が赤く口元に残っていたのならば押し付けすぎです。そういうときは手の位置を調節し、力まずに安定して持てる位置を見つけましょう。

舌で息を止めない

舌で息を止めて音を消してはいけません。「舌で息を止める」という指導は吹奏楽などの一部でされているようです。たしかに、息を舌で止めると一見きれいに音が切れるように感じます。しかし、舌で息を止めると音の響きが急に止まり、音の終わりに余韻がなくなってしまいます。吹奏楽のような大道芸的な音楽ではよいかもしれませんが、フォルクローレのような音楽では舌で息を止めると聴衆に不自然だと感じさせてしまうでしょう。

楽譜やメモを机の上に置かない

楽譜やメモ、チューナーを平らな机の上に置いて練習してはいけません。平らに置いたもの見ながら練習すると、目線が下がり、喉が閉まり、背骨が丸くなり、音程が下がり、自信が無いように見え、全く良いことがありません。譜面台を用意できなくても必ず何かしら工夫をして下を見ながら練習しないようにしましょう。

3.練習の仕方

なるべく毎日練習しましょう。呼吸や唇、指などのどの要素も、規則正しい定期的な練習を続けなければ進歩は期待できないでしょう。運動選手が週末だけしか練習しないとしたら、すぐに筋肉を痛めてケガをしてしまいます。楽器の演奏する場合も同様に、音楽を表現する力をつけるには規則正しい定期的な練習が絶対に必要なのです!

まとめ

音を出すことができた方は次に進んでください。

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