信大戦寸評

〈男子・トラック〉    〈男子・フィールド/女子


走高跳 内藤(4) 米田(4) 森田(3)

 急遽出番が回ってきたフィールドパート長の内藤にとっては久しぶりの大会。左足にグルグルに巻かれたテーピングが痛々しい。最初の高さをクリアし、記録は残したがその後が続かず結局六位に終わる。

 米田は1m70の一回目を落とし周りを不安にさせたが、二回目に無事クリア。1m75を一回でクリアしたため、同記録で並んだ信大二人を抑え、三位に入る。

 森田は安定した跳躍で終始試合の主導権を握る。結局、ベスト記録には10cm程及ばなかったものの、貫禄を見せ見事優勝を果たした。

 全体としては一点勝ちであったが、各人とももう少し上を狙えたのでは、という思いが残る。

 

走り幅跳び 内藤(4) 米田(4) 福田(3)

 強い追い風が吹く絶好のコンディションの中競技が行われた。佐藤(信1)は大学に入学したばかりでどうかと思われたが前評判どおり強かった。7m00を跳び1位を楽に持っていかれた。残りの5人で混戦が予想されたが冬練頑張っていた福田(3)が6m54で2位につけた。

 就職活動であまり練習時間が確保できていない米田(4)は6m31とやや不調で4位に終わった。パート長の内藤(4)は結局1人も抜けず6位に終わった。悔しい3点負けであった。3人の今後のレベルアップに期待する。

 

三段跳 内藤(4)・鈴木泰(3)・福田(3)

 午後になり、だんだんと風が強くなってきた中で競技開始。2本目、鈴木泰が大きな跳躍を見せる。が、強風の影響もあり惜しくもファウル。皆が期待を持って見守っていた鈴木泰の3本目、特有の大きなホップから見事に跳躍がつながった。記録は14m31。残念ながら風が強く参考記録になってしまったが、自他共に認める改心の跳躍であった。鈴木泰はこの後も追い風参考ながら13m後半の記録をたて続けに出し、2位に食い込んだ。眠れる獅子がついに目を覚ましたようだ。これからの躍進に期待ができそうである。

 走幅跳でまずまずの記録を出した福田だったが新しい助走がうまくいかず、納得のいく跳躍ができないまま4位で競技を終了した。久々の三段跳出場の内藤はまだまだ感覚が戻っていない様子。福田と同様、自分の力を十分に発揮できないまま6位で競技を終了した。

 競技前はスコンク負けも予想された三段跳であったが、何とか3点負けに抑えた。

 

棒高跳び 端浦(3) 福田(3) 森田(3)

 森田、端浦、福田が出場した。専門外の福田は開始の高さを一本で越えて競技を終了した。端浦は4m00まで難なく越えて、ベストとなる4m20に挑戦した。しかし、助走リズムが崩れたり、跳躍が流れたりして越えらなかった。

 森田はポールが今一つ立たず、更に棒高跳と同時に複数の種目をこなしていたため、本来の跳躍はできなかった。しかしそれでも4m30を越えて優勝を決めた。結果棒高跳では僅かに名大がリードした。

 

砲丸投 中村(M1) 鈴木基史(3) 津村(3)

 去年と同じメンバーで臨んだ信大戦。事前に信大の東川の調子がいいことがわかり、また練習はあまりしていないが実力者の柳川との激しい戦いが繰り広げられた。

 4月20日に全カレ標準を越える名大新記録を出した中村は、徐々に記録を伸ばし、審判委員長が偶然見ている前で、13m80の大会新記録を樹立。練習はできていないが、その実力は飛び抜けていた。

 総合争いでかなりの苦戦が予想されており、大切な二番手争いは好調な東川が抜け出し、三位を争うことになった。去年の七大戦以来、砲丸を持った鈴木は一投ごと調整していき徐々に記録を伸ばす。しかし信大の柳川も記録を伸ばしていき、ついに六投目に抜かれてしまう。鈴木も最後には記録を伸ばすが5cm差で敗れる。

 安定はしているが10mに届かない津村は、一投ごとに10mに届かない焦りが生まれてきて記録が伸ばせなく5位に沈んでしまう。

 七大戦では、大砲中村は出場できない。また、鈴木、津村も大会運営のため出場できない可能性が高く、オープンに出場した野田の相当なパワーアップが求められる。七大戦は相当厳しいと言わざるを得ない。

 

円盤投 中村(M1) 鈴木(3) 津村(3)

 中村の優勝はまず間違いなく、混戦の2位以下を制することが出来るかどうかが勝負のポイントだった。

 1投目、2投目を終え、予想通り中村がトップに立ったが、鈴木・津村の調子がまったく上がらず4位以下に沈む。さらに審判のトラブルで競技が数十分中断されたために、名大・信大の選手すべてが集中力を乱されてしまい、3投目以降も記録は振るわず低調な試合となった。

 結局、中村は優勝したものの鈴木、津村が4位、5位と下位に終わったため大幅な勝ち越しはできず、何とも物足りない結果となってしまった。鈴木・津村は今後中村の穴を埋める働きをすることを目標に練習に励んでもらいたい。

 また今回オープン参加だった野田がいい動きを見せ、さらに円盤投を専門とする選手も新たに入ってきたため、次回からの円盤投の選手選考が厳しくなる。競争による競技力アップを期待したい。

 

やり投げ 中村(M1) 鈴木基史(3) 森田(3)

 総合争いで完敗の気配が漂う中、フィールド総合争いに勝つためには、この槍投げがポイントであった。

 信州は名大記録を超える持ち記録の一年生と、安定して50mを投げる篠原と名大勢三人との戦いのはずであったが、森田が向こうの三番手に苦戦しており、最終投擲でなんとか抜き5位。ファールが多かったのは、助走の不安定、投射方向の意識が甘いと言うことだろう。残りの四人は50m付近1m内での争いになった。これまた助走が安定していない名大二人の課題は、中村はもう1m手前で投げること、鈴木は助走スピードをクロスステップで落とさないことにある。

 さて、激しいトップ争いは、途中負傷した名大の二人が記録を伸ばすが僅かに及ばず、3、4位になってしまいフィールド争いも負けてしまった。しかし、鈴木は去年の不振から確実に抜けだしており、また森田もその兆しが見えてきた。今後、楽しみな種目となることは間違いないだろう。

 

〈女子〉

 

100m 荒俣(3) 若村(2) 森下(2)

 スタートから荒俣は好調であった。中盤から若村も追い上げた。結果は一位荒俣、三位若村となった。一位と二位と三位はそれぞれ0.01秒差という混戦になった。一位の荒俣と三位の若村は大会新というすばらしい走りを見せた。森下は大学自己ベストをだした。三人とも好走したといえるだろう。しかしまだまだ力を出し切ってなく、まだ力を出せるように思われる。今後の更なる活躍に期待したい。

 

200m 金子(4) 久野(3) 森下(2)

 スタートで飛び出したのは森下。久野と金子もまずまずのスタートを切った。スコンク勝ちできるかと期待できるようなレース。そんなレースを引っ張っていた森下だったが、ラスト10mで信大三枝と名大久野にかわされた。久野、森下、金子の3人共、タイムも良かったので今後も期待できそうだ。

 

1500m 岸上(4) 三谷(2) 小山(1)

 名大の女子は強く、ここではスコンク勝ちをしなければならない。そのつもりで練習メニューをたててきた。岸上は就職活動であまり練習ができず、小山もブランクがあり、三谷は春先から調子があがらないと不安要素もたくさんあったが、それでも勝てると思っていた。信大はスーパールーキーが欠場し、2人だけの出場。名大に有利であった。

 岸上は快調に飛ばすが、1周は76秒。好調時は72秒台で走るし、全カレ標準はそのくらいで走ってもらわないと届かないわけであるが、やはりまだ万全ではない。4月中は満足に試合で結果を残せなかった三谷だが、80秒で落ち着いて入った。小山もこれに続く。この時点で信大は遅れており、スコンク勝ちが見えた。

 そこからは出場者5人がそれぞれ独走で、勝負としては面白味に欠けた。岸上は4分50秒の大会新記録で走りきったものの、これでは物足りない。インカレに向けてスピードを磨いていってほしい。三谷はペースの落ち込みを最小限に抑え、5分14秒でゴール。ここのところ結果を残せていなかっただけに、今回の試合で再び自信を取り戻してくれるだろう。小山は練習熱心で期待の1年生である。今回も3位でスコンク勝ちに貢献した。まだまだ全盛期の走りにはほど遠いので、七大戦を目標に体調を戻していってほしい。

 

4×100mR 荒俣(4) 若村(2) 森下(2) 久野(3)

 今回は荒俣、若村の体調が優れず、当日までメンバーが決まらないという状態であったが、最終的にはベストメンバーで挑むこととなった。それぞれはいい走りを見せたが、バトンパスがすべてのところで失敗してしまうという悲しい結果となった。しかし、タイムは51”04であり、大会新かつ名大新をたたき出した。まだまだ向上の余地のあるレースであり、次回、さらなる記録の更新を期待したい。

 

走幅跳 原田(5) 荒俣(4) 金子(4) 

 原田、荒俣ともにあまり練習ができていないという状況にあり、多少心配のある幅跳びであった。しかし、その練習量の少なさが功を奏したのか、原田は一本目で5m17という自己ベストをたたき出し、荒俣も5m44といういつも通りの記録で1、2位をとることができた。今回ポイント選手として幅に出場した金子も、5mには届かなかったが、4m91の自己ベストを出した。

 3人ともこれからの練習次第でもっといい記録が狙えるはずなので、今後の活躍を期待したい。

槍投げ 金子(4) 高橋(2) 野坂(2)

 今回は混戦を強いられることが予想されたやり投げであったが、信州大学の梅木がけがのため欠場、このため名古屋大学にとってはかなり有利な戦いとなった。とはいえ、信大はやり投げ4年目の新、そして砲丸、円盤と好記録を連続で出していた岡が相手である。一方名大は金子を除き、高橋・野坂は高校からちょくちょくやりは投げていたもののほとんど大学から始めたに等しく、楽な試合とは言えなかった。

 結果は1位金子、2位新、3位高橋、4位岡、5位野坂。記録で見れば名大の中では高橋が自己ベストでこれから先30m台が期待される投擲であった。これから腰とうまく付き合い、継続して練習すればそう遠くはない話であろう。

 しかし、やり投げが専門の金子と野坂の記録はいまいち。特に金子は力んでやりがあがってしまい、風に流され記録は散々であった。今年は最後の年であり、本人は全カレを狙っているが今のままの投げではかなり厳しいだろう。もっと気を引き締めて一本一本を大切にしてもらいたい。

 野坂も同じくやりが風に流され記録を伸ばすことができなかった。しかし以前に比べかなり助走がまとまってきたように見える。今回は助走でスピードがついた分最後のブロックが流れてしまったので、今後の課題はいかに助走とラストステップを組み合わせるか、であろう。

 来年は金子が抜け高橋・野坂のみの試合となる。信州の岡は今回投擲シューズで投げてこの記録なので来年は更に記録をのばしてくることであろう。二人とも同じ学年、そして記録も近いのでお互い刺激しあって記録を伸ばし、来年は岡を倒し1位、2位をとる姿を見たいものである。

円盤投 金子(4) 高橋(2) 野坂(2)

 今回、信大戦では初の対校種目である円盤投は金子、高橋、野坂の3名が出場した。

 金子は1投目いまいちかと思いきや、2投目に自己ベストである29m10を出した。その刺激を受けてか、その後すぐの投てきで高橋も大学ベストである31m57を出した。

 野坂は円盤投初出場にも関わらず、順調に距離を伸ばし、5投目で19m74を出し、本人の目標であった20mまであと30cm程度まで迫る良い投てきを見せた。

 途中で一時試合が中断する、というハプニングがあったが、それぞれが自己ベストを更新し、満足のいく結果ではあった。今後も気を抜かずに記録を伸ばし、頑張っていって欲しい。