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「創世伝説」
「スーパーサラリーマン」
インデックス
「スーパーサラリーマン」
草上仁 早川文庫JA

 はっきし言ってこれはSFではない。この作品は『スーパーサラリーマン』他十作品を載せた短編集である。短編小説は全体としての「起承転結」の取り方が勝負であると同時に難しいものであるのだが、その点については結構しっかりとまとめており粒の割合そろった作品集であると言えるだろう。

 ジャンルは犯罪小説、復讐もの、現代世界の風刺と多彩であるが、逆を言えば短編集らしく取り上げた題材は一貫性がない。しかし主人公はだいたい普通の等身大のサラリーマンである。どこにもいそうな、しかしある意味では特殊なサラリーマン、たとえば飲んだくれ、オタク、OLといったそういう人達の日常的な生活が詳しく書き込まれている。
 その代表作は表題にもなっている『スーパーサラリーマン』であろう。これはすべての人間がスーパーマンになり希少性が失われスーパーマンがサラリーマンになって苦闘している世界につとめの達人「スーパーサラリーマン」が登場しありとあらゆるサラリーマンであるスーパーマンの悩みを解決してゆくという話である。発送やネタ自体は「立場の逆転」という短編小説においてよく見られる手法である。しかし、これが結構面白い。サラリーマンとして、書類の締め切り(この原稿は先輩の家に缶詰めにされて書かされたものであるからなおさらである)や麻雀の接待や伝票の照合に追われる、マントをたなびかせた哀れで無力なスーパーマン。そこに手にアタッシュケースを下げ、どぶねずみ色の背広、眼鏡をかけた正義と真実を守るために日夜戦い続けているスーパーサラリーマンが登場するのだ。単純である。しかしこのコントラストが実にうまく描かれていて面白い。エンターテイメントとしては秀逸といえるだろう。
 このような発送や思考の逆転や奇抜な着想といった方法は全編にわたって笑いを、面白さを提供してくれており、まさにネタの持つ力で勝負しているといっても過言ではない。これはこれで一種の短編の王道ともいえるオーソドックスなやり方で良いとは思うのだが逆にこの場合はストーリーをそれまでのオチのつけかたで予測されかねず、予測されたが最後、とたんにまぬけな作品に墜ちてしまう。これは犯罪小説で顕著に現れている。これを避けるためには、よりネタを強化するか、まとめるかだろうが前者は結局欠点を拡大するだけだろうし後者も下手をすれば作品自体小さくなりかねない。これも、この作品集の中でいくつか見られており両者の対立がいかに難しいかということがよく分かるような作品である。
(出前一朝)

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「創世伝説」
ドナルド・モフィット 小野田和子 訳 ハヤカワSF

 帯と表紙だけ見て、「ETもんだわ」と思ったらちょっと違った。人間が作られてしまったのである。試験管ベビーとかそういうんじゃなくって、地球人の発した純粋なデータのみで、異星人が作り上げたという設定なのだ。
 一本とられたぜ。
 人間のデータを送るということは、23世紀なら可能だろう。なぜなら電送機があるから。しかしそんなことはこの話の主題ではない。この特殊な設定(最初にやったもん勝ちである)の元で、異星人間のコミニュケーションはどうなるのかを偏見に満ちて書かれている。展開は人によりけりだろう。完結ではないそうだが、ちょっと物足りない。もうちょっとひねるか、感動的な物であってほしかった。
 続編待ちである。
(松野)

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