Date:2013.9.7~9.9
1日目
出発の日の朝、名駅バスターミナル前のナナちゃん人形の足元に、毎度の如く生研部員たちが集まった。
天気予報は、一週間前から雨。予報の内容は当日まで変わらなかったが、奇跡を祈りながら一行は出発した。
今回は、高速バスに乗り、電車に乗り、路線バスに乗っての移動だったため、初日のほとんどは移動に費やすことになった。
出発から約3時間、高速バスの降車地点:長野駅にまもなく到達しようという時、早くも雨が降り出した。
次第に強まる雨の中、一行は長野駅の売店でおやきを購入するなどし、軽く昼食を済ませて電車に乗った。
そして上田駅に到着後、別のバスに乗車。この頃、雨はそんなにひどくなかったが、
我々のバスが宿の前に到着する頃になっても、遂に止むことはなかった。
ひとまず、長旅を終えて無事に到着したことを喜びつつ、一行は宿へと向かった。

宿に入ると、そこにはたくさんの親子が。後で知った話では107組いたらしい。
とりあえずチェックインして、巨大な団体の中で小さな群れを成しつつ部屋へと歩く。
そこでしばらく一息ついた後、食堂へ行くと、バイキング形式で食べ物が並べられていた。
実は、その親子たちが泊まっている間、食事はバイキングということになっていたのである。

一行は、園児とその親でいっぱいの大部屋の隅でそれぞれ好きなように食事を摂った。
ある人はたくさん、またある人は控えめに、そしてある人は酒を嗜みながら。
そんなこんなで、その日の食事は賑やかなものとなった。
夜には、一部屋に集まってトランプなどを楽しみ、合宿の初日は幕を閉じた。
2日目
朝起きて、再びバイキングの朝食を食べた後は、いよいよ周辺散策に出かけることに。
太陽は依然として姿を見せないが、その頃は雨は降っていなかった。その後すぐに降り出したけどね。

出発早々、我々を迎えてくれたのは、コムクドリの群れであった。
菅平高原はムクドリの声がした所にコムクが居るという、鳥好きの人(以下、鳥屋)には嬉しい場所だったそうな。
悪天候の中で姿を現してくれた鳥たちに感謝しつつ、道路を進んでいく。
最初に目指していたのは唐沢の滝。
道中でいくつか偽物の小さな滝を見たが、本物の場所は看板が指し示していた。
幾多の水たまりを乗り越えつつ、ぬかるんだ地面を歩いていくと、すぐに滝が見える位置まで辿りついた。
そこは、有名なだけあって、ただならぬ雰囲気の場所であった。
辺りには流れ落ちる水の音が轟き、滝壺からの飛沫が霧となっていく。
この時に限っては、雨も風景の一部となり、我々に感動を与えてくれた(のかいな?)。
それから、我々は表面を水が流れる道路を歩き、靴を水浸しにしつつ食事処に到着した。
ところが、その頃の菅平高原はシーズンオフだったらしく、その店は営業をしていなかった。
一時、生気を失った一行だったが、近くの案内所に行ったら営業中のお店を紹介して下さった。
そのおかげで、我々は寒さで奪われた体力を、暖かい店内でいくらか回復することができた。
何故我々は夏に凍えていたのだろうか・・・。
昼食を終えたら、その日の残り半分で菅平湿原へと向かった。
湿原にはそう時間もかからずに到着したが、入り口付近で一行はしばらく立ち止まった。
そこはまさにキノコの宝庫だったのである。
各々が存分に写真を撮った後、我々はいよいよ湿原へと入っていった。
湿原には、馴染みのない植物が多くあり、時々鳥の声が遠くから聞こえてきた。
他にも、葉っぱに張り付いている謎の卵に加え、ネコを見たという人もいた。
湿原を一周して抜けた頃、急に太陽が姿を現し、昼までの悪天候が嘘だったみたいに晴れ上がった。
更に、一斉に鳥たちが騒がしくなり、木から木へと飛んでいく様子が至る所で見られるようになった。
そして鳥屋たちは言った、「湿原をもう一周する」と。
そこで一旦二手に分かれ、一方は湿原へ向かい、もう一方はすぐ近くの博物館を見学した。
あとで写真を見ると、二週目を回りきった猛者たちの成果は上々だったようである。
長旅から宿に帰ると、体が冷え、疲れ果てた一行は浴場へと駆け込んだ。
それから、子供たちの居なくなった部屋で、個々に用意された夕食を食べた。
そこに前回までの騒がしさは無く、静かで、しかし会話に満ちた食事となった。
その日の最後も、再び一部屋に集まって、トランプやUNO、あとJUNGLE SPEEDとかいう荒々しいゲームを楽しんだのであった。
3日目
最終日は、とても清々しい晴天であった。最後にいい景色が見られたのは良かったが、何となく悔しかったのを覚えている。
その日は、まず路線バスに乗って上田駅まで行き、上田城跡公園に立ち寄った。
また、そこでも鳥が多く、姿こそ見られなかったが、名古屋ではあまり見かけないオナガの鳴き声も聞こえてきた。
途中、公園内の花月園という場所に立ち寄った。そこには名前の通り樹木が植えられていたが、見所だったのは階段を登った先である。
そこは、ちょうど木の枝葉と同じくらいの高さだったため、普段は見上げないと見えないはずの鳥たちが目の前で鳴きながら飛び回っていたのだ。
日陰ということもあって、そこでしばらく写真を撮りつつ休憩した後、鳥を探しながら公園を一通り回った。
最後には、近くにあった蕎麦屋でそれぞれ蕎麦を食べた。
その後はお土産などを買いつつ上田駅へ。
それからは電車に乗り、長野駅に着くやいなや、最後の高速バス乗り場まで走った。
あの10分での乗り換え(全力疾走)は、旅の最後を飾る素敵な思い出となったことだろう。

かくして、生研夏合宿は無事に完結したのであった。
作成:KAN-T
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