第33回 信大戦試合内容


男子ポイントの結果  女子ポイントの結果  オープンの結果


・男子
100m  遠藤(3)、後藤(3)、谷(1)
 谷は1年生ながら持ちタイムがよく、練習もしっかり出来ていたので起用した。
 後藤がスタートからの加速で先頭に立つ。信大の井上も出てきたが、そのまま逃げ切り今季初の十秒台の記録で優勝。谷もその後を追い、3位でゴール。袋が似ていたという理由から、スパイクの代わりに体育館シューズを持ってきた、うっかり遠藤。なんとか普段使っている物と同じ物を借りることが出来たが、あまり調子が良くなく、4位に終わった。


200m  後藤(3)、丸山(3)、谷(1)
 100m同様、後藤がスタートからの加速で、前に出る。コーナー出口では先頭だったが、最後信大の井上に差され、悔しい2位。谷はこちらでも2人に続き、3位でゴール。丸山は動きに硬さがみられ、スタートで置いて行かれると、いい所なく6位に終わった。


400m  井亀(4)、加藤(4)、吉村(3)
 前半から信大の千野、羽生がとばしていき、最後の直線に入ったところでは3、4、6位と名大が不利に。しかしそこから加藤が驚異的な追い上げを見せ、信大2人を抜き49秒台の好記録で優勝。井亀も最後、差を詰めたが届かず4位。吉村は5位争いに負け6位に終わった。


110mH  加藤(4)、宮嶋(4)、前里(1)
 14秒台の記録をもつ、期待の1年生前里が、まだ本来の力は戻っていないものの、華麗なハードリングで圧勝。就職活動などで十分に練習出来ていない宮嶋は、思うような走りが出来ず、先輩としての意地を見せることが出来なかったが、加藤とともに2、3位を占め、短距離種目唯一のスコンク勝ちとなった。


4×100mR  丸山(3)、遠藤(3)、谷(1)、後藤(3)
 昨シーズン末のような走りの出来ていない1走丸山。多少良くなってきたが後半失速し、さらに2走遠藤とのバトンが詰まり、信大に先行される。遠藤もまだ本調子ではないが、信大との差を詰める。しかし2、3走間でもバトンミス。3走谷はそれを補う好走をし、僅かの差で4走後藤へ。ここで信大がバトンでもたつく。さらに加速で差を詰めたので、逆転勝利を期待したが、フォームが安定してからの伸びが見られず、結局負けてしまった。個人の走力では完全に勝っていたと思われるので、より一層のバトン練習をして、これからはバトンパスで負けるということのないようにしてもらいたい。


4×400mR  井亀(4)、遠藤(3)、後藤(3)、加藤(4)
 今回の信大戦はマイルの前で1点負け。ここで勝てば逆転勝利。選手にプレッシャーが重くのしかかる。「負けてしまったら・・・」と。そこで普段なら決して行わないであろう気合入れをして最後の戦いへと臨んだ。
 1走井亀、バックストレートで信大に追いつかれ、周りをヒヤヒヤさせるが、最後の直線でスパートをかけ、5mの差をつけ2走遠藤へ。遠藤はまだ本調子とはいえず、後半信大に差を詰められたが、リードは保ち3走後藤へ。後藤はいつもながらの快調な走りで、後半200mあたりからスピードを上げ、差を広げて4走加藤へ。アンカーを安心して任せられる男加藤は、力強い走りでさらに差を広げ、1位でゴールを駆け抜けた。ただマイルという種目の勝敗だけでなく、信大戦全体の勝敗もかかっていただけに、プレッシャーも重かったが、無事勝つことが出来て本当に良かった。


800m 瀧川(4) 吉田(3) 渡辺一(2)
 1500m同様信大勢が前を引っ張っていく。吉田はまだ身体が戻っておらず、1周で離されてしまう。瀧川も苦しくなった。2周目のバックストレートではあわやスコンク負けかと見えたが、渡辺にはまだ余裕があった。絶対的なスピードはないが、ある程度のスピードを長く維持できる能力がある。冬の間の走り込みが効いているのかもしれない。最後の直線で信大2名を抜いて自己ベストをマークし2位でゴールした。課題はたくさんあるものの期待ができる。瀧川、吉田は今の状況では致し方ない。


1500m 瀧川(4) 藤田(2) 山田(3)
 例年、1500mで対抗戦の勢いをつけてきたが、今年は苦しかった。3名ともに万全には遠い状況で臨まざるを得なかった。1周目で信大勢が64秒で引っ張る。すでに藤田と山田はスピードに対応できず離されてしまう。瀧川は練習不足が隠しきれず余裕はない。1000mの時点で藤田と山田の5位6位が確定。残り1周から瀧川がトップを狙い意地のスピードアップをするが、バックストレートで逆転され3位に落ちる。最後の直線であわや信大の3人目にも抜かれそうだったがギリギリ踏ん張った。スコンク負けの危機だった。信州大学は強かったが、何らかの対策を考えないと今後も苦しい。


5000m 藤田(2)、嶋本(M2)、伊藤(3)
 信大勢の好調は明らかで、苦戦は覚悟した。3分で信大2人が引っ張っていく。調子がよければ何ともないのだが、焼津ハーフ等の影響もあり不安なままだった。しかし2000mあたりの表情では、名大勢に余裕がある。やっと負けはしないと確信できた。3000mをすぎて76まで落ちたペースに我慢できなくなった藤田が先頭にでてペースをあげた。信大の長谷川が対応したが残り1000mで藤田の独走となり優勝を確実なものとした。ハーフ等の疲れで消極的なレースに終始した嶋本だったが、地力のあるところを見せた。伊藤も最後に逆転され5位に終わったが上昇機運を感じさせる走りだった。入院の影響もやっと解消されたようだ。なかなか軽い走りで練習さえしっかりできれば、14分台はすぐにでも手が届きそうだ。この5000mでは名大の意地をみることができたが、常に駅伝を視野に入れた練習では、スピードの必要な種目での苦戦はさけられない。小栗の復活が見えてきただけに今後の対抗戦ではもう少し楽になろうが、苦しい信大戦の内容だった。でてこい救世主。


走高跳 近藤(M2) 後藤(3) 米田(3)
今年もバラエティに富んだ顔ぶれで戦うこととなった。森田の故障により急遽出番が回ってきた近藤は、記録を残すにとどまった。米田も自己ベストに届かず5位に終わる。高跳好きの後藤は、がんばったが多種目との兼ね合いもあり、惜しくも優勝を逃す。今年も名大の走高跳専門選手はゼロ。対校戦では苦しい戦いが続きそうである。
 

走幅跳 近藤(M2) 米田(3) 福田(2)
強い追い風が吹く中での試合となった。故障明けの近藤は、様子を見ながらのジャンプであったが無難にまとめ3位。福田も三本目あたりに上手く風に乗り、良い跳躍を見せた。米田は肝心な所でファウルを犯し下位に沈んだ。名阪戦では相手に強い選手がそろっているので、名大としてもより一層のレベルアップが急務である。


三段跳 近藤(M1) 福田(2) 鈴木(泰)(2)
幅と同じく4m近い追い風の中で行われた。近藤はケガの不安を乗り越え、そこそこの跳躍を見せるが、信大北野のパワフルな跳躍に屈し、惜しくも2位。福田、鈴木ともに良い位置をキープし、試合を進めるが、終盤信大の2番手にかわ
され4位5位に終わる。二人には早く昔のジャンプをとりもどしてもらいたい。


棒高跳  森田(2) 端浦(2) 福田(2)
 森田はケガのため2M60で試技終了。福田は自己新の2M80を跳ぶ。しかし、この時点で端浦と信大3人という苦しい展開。スコンク負けという状況すら考えられたが端浦が奮起し3M80を跳び2位になる。4Mこそ跳べなかったが去年から確実に成長の後が見られ今季は頼れそうだ。


砲丸投  中村(4) 津村(2) 鈴木(基)(2)
 フィールドで最初の種目ということもあり、ここで幸先良く勝ち越しておきたいところ。中村の優勝はほぼ確実だったから、津村、鈴木(基)の活躍に期待がかかる。津村は前半から調子良く、あっさりと昨年のベストを上回る9m60をマークし、3位につける。一方、鈴木(基)はうまく砲丸に力が伝わらず、低調な出だしだった。しかし、津村の自己ベスト更新に奮起し、後半自己ベストを連投。自身初となる10m台をマークした。津村、鈴木(基)の自己ベスト更新により、5投目を終えた段階で名大が1、2、4位と、準スコンク勝ちまで見えてきたが、信大も最後の6投目に意地を見せて、記録を伸ばしてきたため、そこまではできなかった。
 中村は練習不足も響き、いいところが全くなく低調な記録で終わったが、予想を上回る2年生の成長が大きな収穫だった。この調子で、記録を伸ばしていって欲しい。


円盤投  中村(4) 加藤(4) 鈴木(基)(2)
 ここまでで、総合ポイントは名大がやや負け気味。何としてもここは負けられない。練習投擲を見る限り、中村と加藤の記録は一歩抜きん出ている。順当に行けば1、2位は確実。加藤はうまく円盤を風にのせ、着実に記録を伸していった。後は鈴木(基)の投擲に期待がかかる。鈴木(基)は、砲丸投の勢いに乗って、一投目から25mラインを越える投擲を見せる。しかし、信大も負けてはいない。1、2番手が丁度鈴木(基)と同じくらいの記録をマークしてきている。信大が記録を伸ばせば、鈴木(基)も伸す。鈴木(基)は昨年の自己ベストを上回る投擲を連投し、前半3投を終えて、1、2、4位と健闘していた。3、4、5位の差はほとんどなく、一発で簡単に順位が入れ替わる状況だった。うまく行けばスコンクも狙えるという状況のなかで、力が入りすぎたのか、鈴木(基)に失敗が目立ち始める。円盤に勢いがない。だが、向こうもそれは同じらしく、わずかに記録を伸してきたが順位が入れ替わるほどではなかった。
 終わってみれば、準スコンク勝ち。フィールド総合ポイント争いはこれで三段跳の結果を待つだけとなった。


やり投  中村(4) 鈴木(基)(2) 森田(2)が出場
 中村は、昨年に比べて投擲が少し安定してきて、50m前後をコンスタントに投げているが、信大の篠原も、昨年以上に安定しており、中村は常に篠原を追うという苦しい展開になった。中村も全助走に切り替えて、一発を狙うが、動きに切れがなく、やりはまったく伸びない。最後勝負を賭けた六投目、声は出なかったが、風にうまく乗ったのか、距離が少
し伸びた。篠原も六投目に記録を伸してきたが、結局計測の結果は、中村が30cm逆転し、昨年に続きやり投げでも連覇を飾った。鈴木(基)は足の怪我がまだ完全には良くなっていない中での苦しい投擲だった。前半からファールが重なり、やりも今一つ伸びてこない。しかし、そこで集中力を切らすことなく、最後は昨年のシーズンベスト近くまでうまくまとめてもってきた。森田は棒高跳で、春合宿に痛めた左足の調子が悪く、2投で終わったが、3位に食い込む健闘を見せた。
 ポイントでは、昨年を上回る5点勝ちとなった。来年以降は、今回オープンで参加した津村もポイントとして出ることになるだろう。津村のこれからの頑張りに期待したい。


・ 女子
100m  荒俣(3) 藤原(2) 若村(1)
 スタート荒俣が先頭にたったが中盤若村がのびてくる。最後は二人のあらそいになったが後半のびた若村がかわして一位、0.01差で荒俣が二位となった。藤原も頑張り自己タイ記録でゴールした。若村は大学初レースであり、今後の活躍を期待したい。


200m 久野(2) 藤原(2)
 久野は怪我のためスタブロの練習ができなかったにも関わらずコーナー出口までは1位で来た。しかし走りこんでいなかったため、残り50mで信大二人に抜かれてしまい、惜しくも3位となった。藤原はまだ十分に走れず5位に終わった。今年速い一年生が入ったので今後切磋琢磨をしてさらに成長していってほしい。


1500m 白藤(4) 三谷(1) 近藤(3)
 最近まずまず好調な白藤が自信満々に先頭を引き続けた。1000mまでついてこられたが、そこから離した。一度も後ろを振り返ることなく余裕で優勝した。もう少し身体が絞れれば4分台は確実。期待の新人三谷は1年生ながら練習ができている。スピードよりも距離が長くなるほど力が発揮できそうである。近藤はやはり練習不足は否めず、いつもよりも早い飛び出しには対応できたが、後半失速してしまった。

4×100mR 藤原(2) 荒俣(3) 原田(4) 若村(1)
 一走の藤原はスタートで出遅れ、信大を必死に追うがそこで二走の荒俣へバトンが渡る。荒俣は100mでもベストを出すなどの好調な走りで信大に追いつき、そのまま差を引き離し、三走の原田にバトンが渡る。原田はそのまま追ってくる信大から逃げ切り、四走若村へバトンを渡そうとするが、少しバトンがつまってしまい、信大との差は少し縮まった。けれど、一年生の期待のエース若村はそのまま信大を引き離し、ゴールをした。このメンバーで走るのは初めての試合。まだまだ課題は多いが、まずまずの出足であった。これからさらに期待のできるメンバーである。

走幅跳    大木(4)原田(4)荒俣(3)
風が弱いときには1m、強いときには4m近く吹くという難しいコンディションの中試合行われた。
大木は4m58cmと昨年のベストに近い記録ではあるが、追い風3.4mと公認記録とならかった。原田は5m02cmと5m台を確実に跳べるようになってきた。今後さらに伸びることが期待される。荒俣は5m49cmと惜しくも50cm台にはいかなかったが、ダントツ優勝であった。
  結果は1位、2位、5位、と名大が7ポイント。課題は残るがまずまずの試合であった。


やり投    吉崎(4)、金子(3)、高橋(1)
今回の信大戦では女子は初の対抗戦であり、みなオープン出場の時とは少し違った緊張感を持って試合に挑んだ。信大にはそれほど強い選手がいる、との情報は入ってこなかったので1、2をとるつもりで試合開始。しかし、吉崎は久しぶりの投げとあってなかなか思うようにやりが飛ばなかったが、後半は調子が出てきて軽く30mオーバー。勢いのある投げだったので今後の更なる活躍が期待できる。金子は今シーズン初の40m台を狙っての投てきで見事成功。これで今シーズンの波をつかんで欲しい。高橋はまだ一年生、しかもやりが始めてであり、今回は試合の雰囲気をつかむための出場であった。来年はぜひとも円盤を種目に加えて活躍して欲しい。