第24号 悟弓巻頭言

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 第一部復帰を目指して      師範 魚 住 文 衞



 東海学生弓道連盟が結成されたのは、昭和三二年であり、名大弓道部の創設と東海学弓連への加盟は、その二年を経た昭和三四年であったと思う。

 東海学弓連が結成された当初は加盟校が僅か五校であって的中率も低かったが、年々加盟校の増加とともに的中率も向上し、現在加盟校が十九校という盛況になったことは、ご同慶に堪えない。

 東海学弓連における名大弓道部の活躍ぶりをリーグ戦の記録から見ると別表の通りで先輩の活躍が偲ばれる。

 大学の弓道部では二~三年で選手(部員)が変わってゆくので、どこの大学でも過去の成績に盛衰があることは否めないが、その大学の伝統は卒業生(OB)を連携し大きな力をもっていると思う。

 連盟加入以来第一部校として活躍してきた名大が、三年前に第二部に落ちたことは誠に残念であり、師範としての責任を痛感し申し訳なく思っているが、幸い先年名大弓道部のOB会が結成され、大先輩の岸田正昭さん(教士六段)を始め熱心な先輩に恵まれているので、これら先輩のご支援を得て、今年こそは第一部復帰の念願を果たしてもらいたいものである。 

 リーグ戦における第一部の平均的な的中率は六割八分程度であり、八人の選手の平均的中率を六割八分程度に保つことは相当の努力を要するが、至難なことでもないと思う。

 的中率を向上する要件は、

一、基本体型(三重十文字と五重十文字)の整備。

二、打起こしから引分け会に至る運行の調和(弓の強さと弓を引くのに使う筋力の調和)。

三、息合いと引分けの運行を調和させること。

四、気力の充実(精神力)。

などであるが、一の基本体型は、一年ぐらいの修練で概ね整うので先ず問題ではないが、二、三、四の要件は伝授することが至難であり、各部員が練習の時間と矢数をかけ、その練習によって悟らねばならない問題である。なお的中率を向上するには射技の細かいことに注意することも時には必要であるが、余り細かいことばかりにとらわれて、上記一~四の要件から外れるようなことがあってはならない。

 同じことを機械のように幾千回、幾万回と繰返せば、的中率は必ず向上すると思う。どうか部員一致して頑張ってもらいたい。


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